生まれは埼玉、育ちも埼玉、高校で混声合唱に打ち込み、大学で男声合唱に打ち込み、合唱生活は現在も続いております。もしかしたら合唱ヲタクとお思いの方もおられるかもしれませんが、違います。
真性の合唱ストーカーです。
さて、
合唱で困るのは、自分の生演奏を自分で聴けないことです。
例えばとてつもない超名演をしたところで、それはその場限りで消え去ってしまうので、後日録音で聴くしかない。しかし、録音といえども無いよりはあった方が遥かに良いし、それしか手段が無いのなら、なるべくベストな録音を残したい。
そんな訳で、昔から録音を残すことに並々ならぬ熱意を持った方がたくさんおられました。
高校、大学ともなかなか由緒ある合唱団だったので、部室にはそれこそオープンリール草創期の頃からの古い音源があり、耳学問のために良く聴きました。
その時代によって録音技術上の制約があるにせよ、録音を聴くと、さまざまな奏法や発声や、今となっては歌われない演目や、演奏に携わった方々の本番にかける想い、そういったもの全てが勉強になります。
付随的には、合唱に一家言を持っている古いOBの方々が現役時代にどんな演奏をしていたかも分かりますし、そういったOBの方々と往時の演奏の話題で親しく会話させて頂くこともあります。
そういう過去の演奏記録はオープンリールやレコードによるので、CDやMDが主流になった今日ではなかなか手軽に聴けるシロモノではありません。
聴けない=忘れ去られ、旧世代の遺物として埋もれていく、ということです。
そこで古い音源をカセット等の一般的に聴ける形に変換する、という作業を高校時代から始めていましたが、時代は進み、技術も進歩し、現在では自宅でCD-Rまで焼けるようになり、再現性・長期保存性も格段に向上しました。
それに加えて就職=可処分所得の増加によって手持ちの機材も充実し、今では大抵の音源はデジタル化することが出来るようになりました。
そのような背景の中、古い音源が日々失われ、埋もれて行く事に恐怖と言っても良い感覚を抱く当方は、遂に個人的プロジェクトとして知人・友人・関係団体を通じて古い音源を収集・デジタル化し、大学男声合唱ライブのアンソロジーを制作する事としました。
収集している音源は、結果として当方の所属した団体に近しいところばかりなので、どうしても偏りがありますが、日本の男声合唱や、それに影響を与えた音楽の歴史の一端を詳らかにすることが出来るであろうと思います。
現状では、東西四連、東京六連、早稲田グリー定演を集中的に鋭意デジタル化作業中です。
また、慶應ワグネル・同志社グリー・関西学院グリー等の単独定演、関西六連、その他名演と言われる演奏を含む演奏会(例えば明治グリー30回記念定演、東経大30回記念定演等)や、更には多くの珍品も入手し、或いは引き続き探索中です。
このコーナーでは、そんな音源たちを御紹介していこうと思います。
もし記載内容に事実誤認等がありましたら御一報下さい。
「山古堂」とは、山崎が古い音源を集めている、ということで名付けたのではなくて、主に関西方面の音源探索で御尽力頂いた盟友、古賀準一君(関西学院グリークラブ1989年卒)から一字を頂いたものです。彼のフランクな人当たりと人脈のおかげで、どれほどの音源が忘却の淵から救われたことか。
山古堂は、これからも音源収集・デジタル化を通じて、合唱文化の継承を図り、過去と未来の橋渡しをして参ります。どうぞ宜しくお願い申し上げます。

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